こんなに暑いのに・・・【RSV感染症】

今日から本格的にGWが始まりました。
天気予報では30℃超え?!とのことですので
みなさん熱中症にも気をつけてください🥛

でも、こんなに暑いのに最近の外来ではRSV感染症の方をよく見かけます。

過去には「RSは冬に流行ると病気」とも言われていましたが、最近はまったく関係なく、一年中見かけるようになりました。

地球全体の環境がどんどん変化してきて、何につけても季節感がなくなってきていますし、途中コロナ騒ぎも経験しましたので、小児科界隈の感染症流行も予想しづらい感じとなりました。また最近は病原体を確認できる検査も本当に色々なキットができてきたので、迅速検査が手軽にできる状況にあることで病名に注目しすぎるのかもしれません・・・・

ただRSV感染症は小さい子どもが感染すると重症化することがあるため、「普通のカゼ」といって割り切れないところもあります。みなさんよくご存知だと思いますが、今日は少しその特徴を記しておこうと思います。

RSウイルス(RSV)感染症とは・・・・

①乳幼児に肺炎や細気管支炎を引き起こすよくあるウイルス感染症

②約半数の人は1歳までに、2歳までにほとんどの人が初感染することが分かっている。何回でも罹りますが、年齢があがるにつれて症状が軽くなることが多い。大人でも罹る。

③潜伏期は通常4~6日。カゼ症状(発熱や鼻汁、咳)から始まり、数日後がピークで約1週間で治っていく方がほとんどです。(発症初期に診断を受けられた方は、その後まだ症状が重くなる可能性もありますので、きちんと治るまで経過観察が必要です⚠️)

④特効薬はありません。解熱剤や痰切りのお薬などを使っての対症療法となりますが、ゼイゼイがつらくで呼吸がしにくい場合には吸入をすることもありますし、哺乳や水分摂取が難しい場合には点滴をすることもあります。夜間の強い咳や高熱で自宅での療養が難しい場合には入院をお勧めすることもあります。

最近の話題として📝

このRSVに対するワクチンが開発されました。接種することにより約80%リスクを減らす効果があると言われていて、基礎疾患をお持ちの方やそのご家族の予防には有効と思います。ただし現在は60歳以上の方が対象であり、随分高いワクチン(数万円)ですので、世の中に浸透するのには時間がかかりそうです。(従来小さく産まれた赤ちゃんが打っている注射「シナジス」とは別のものです)🍀

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